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Nelson Super Project

『Nelson Motown +』 楽曲解説はこちら

60~70年代に生まれたモータウンの名曲をカヴァーした11曲に、そんな雰囲気にぴったりのオリジナル・ソング2曲を加えた6年ぶりの2ndアルバム。この9人だからこその解釈で生まれ変わった名曲の数々を堪能できる。

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98年に行われた、山下達郎のツアー『Tatsuro Yamashita Performance '98~'99』のために集まった9人のミュージシャンによるスーパー・バンド、Nelson Super Project。彼らのスタートは、まだバンドとして活動する前の2000年に行われた京都でのライヴ。それをきっかけにパーマネントなバンドに発展しライヴを中心に活動していくことに。02年3月にはオリジナル・アルバム『Nelson Magic』をリリース。しばらく活動は休止状態だったが、07年に約6年ぶりのライヴを行い、そこでプレイしたモータウンの名曲、「Ain't No Mountain High Enough」がきっかけで、08年10月にモータウンのカヴァー・アルバム『Nelson Motown +』を6年ぶりに発売することになった。メンバーは土岐英史 (Sax)、三谷泰弘 (Vo)、佐々木久美 (Organ&Vo)、国分友里恵 (Vo)、青山 純 (Dr)、伊藤広規 (B)、佐橋佳幸 (G)、重実 徹 (Key)、難波弘之 (Key)。


――どういういきさつでこのプロジェクトが始まったんですか?
三谷:もともと98~99年の山下達郎さんのツアーで集まったメンバーなんですよ。みんなでセッションをやろうよっていう話になったんですけど、なかなかスケジュールが合わなくて。結局、達郎さんのツアーが終わって1年経ってようやくこの顔ぶれでライヴをやれたんですけど、そのときにものすごく盛り上がったんです。バンドをやろうということになって、2002年に1stアルバムを作ったんですけど、またしても沈黙してしまい(笑)。でも、昨年12月にライヴで復活して、そのときの様子を見た今のスタッフから今回の2ndアルバムの話が持ち上がったんです。
――最初にライヴで盛り上がったのは何が大きかったんですか?
三谷:なんでしょう、ずっと笑ってましたね(笑)。去年の12月のライヴでも6年前の空気が甦ってきて、みんなが集まったときの爆発の具合が面白くて。お互いのことをよくわかっているがゆえに、いい形で結びついているというか。
国分:ブランクが埋まるよね、まるで昨日のことのように。6年も経っていたと思えない。
佐々木:本当に説明しがたいメンバーだね。めぐり合わせなんでしょうね。
三谷:達郎さんの音楽はストイックなところがあって、高いレベルを求められるんです。でも、このメンバーだけでセッションしたときのはじけ具合とまとまり具合はすごかった。地の部分を出せるからなんでしょうね。
佐々木:他人の地の部分を見るのは楽しいからね(笑)。この人、こういう人だったのかって、お互いが笑い合ってる。
三谷:ただ、アルバムは作り方のテンションの上がり方がライヴと違っていて。ライヴはそこでガッと盛り上がるけれど、アルバムを作るときはまた別のスペシャルな感じですね。作品として残るものだし、我々がやっていることの証のようなものだから。全員がより高いところに押し上げる力があるというか。
難波:時間の無駄はなくて、誰かが歌っていると誰かが別の作業をしていたり。みんな信頼しあっているから、効率がいいというか勢いがありました。
三谷:基本は全員で一緒に演奏して歌うのがネルソンの作り方なんです。楽器ごとに入れるのではなく全員が一緒にいる。すごく面白いですね。
――今回、モータウンのカヴァーにしたのはどういうところからですか?
三谷:実はそんなに愛着はなかったんです(笑)。もちろん、有名な曲は知っていましたけど。12月のライヴでモータウン・ナンバーを取り上げたところ、今回のスタッフサイドの評判がよくて、モータウンのカヴァーアルバムってありなんじゃないかと。さっそくモータウンのボックスを聴いてみたら、楽曲の量の凄まじさとクオリティに圧倒されました。キャッチーでありながら、今のポップスのいろんな要素が詰まっていて、あらためていろんな発見があって。今回のお話をもらったあと、今の日本の音楽の世界でモータウンを解釈して新しい形で出せるのに、僕らはいいポジションにいるんじゃないか、ということでみんなで納得したんです。ただ、必ずしも名曲だからすべてができるわけではなくて、僕らがいまやってフィットするものを選曲する、それは何度もミーティングしました。
難波:選曲とアレンジのアイディアは時間かかりましたね。
伊藤:僕は「I'm Gonna Make You Love Me」を推して。唯一、買ったシングルだったんです。「Get Ready」もモータウンだったんだって驚きましたけど。
国分:「Get Ready」は全員一致だった。ライヴでもお客さんに振り付きで踊ってもらおうとか。
三谷:一度、20曲ぐらい候補を出して、そこから絞って。そのリストの中から1曲ずつ、アレンジのアイディアがある人に手を上げてもらって進めました。でも、その人の意見にみんな従うわけでもなく(笑)。一応、譜面は書いてくるぐらいで。実際にやってみるとまた変わっていきますからね。
国分:テンポに関しては時々話したけど。
佐々木:音を出したときから、その先がみんな見えているからね。
――それに、コーラスが強力ですね。
国分:楽しかった、歌い甲斐がありました。
佐々木:せっかくの3人のコーラスを活かしたくて。
三谷:コーラスが浮かんでも、仕事だとそのとおりにはできないこともあるんですけど、みんなが思いついたことを久美さんがメインでまとめていって。そういった意味で、モータウンの音楽は歌も演奏も重要だけどコーラスも重要。そこもピッタリでした。歌の装飾でコーラスがあるんじゃなくて、歌とコーラスが掛け合ったり、両方があってメロディが成立する曲が多いので、重要なパートですね。
佐々木:コーラス好きとしてはメチャうれしい。
――オリジナルが2曲収録されていますね。
三谷:オリジナルはみんな、どうしようっていうのがすごくあって。
難波:この中に並ぶっていうのがね。でも、歌詞の世界もモータウンを意識しつつ、うまくはまったと思います。
国分:でも、歌詞を書くのにそんなに苦労はしなったというか。曲の感じで世界観を作って。なるべく英語を使わないでやったらどうかとか、ここは英語にしてほしいとか、曲を作ったメンバーと話し合いながら作りました。
――結果、ネルソンらしさが強烈に出たアルバムに仕上がりましたね。どういうふうに聴いてもらいたいですか?
三谷:初のメジャー・デビューなので(笑)、これがCDショップに並ぶのが楽しみですね。どんなリアクションなのか。あらためて名曲だと思うし、それを我々が新たな解釈でこういう作品にしたので、できれば原曲を聴いてもらいたいですね。さかのぼって聴いてもらえるとうれしい。
難波:お互いのプレイを信頼し、尊敬しているから何をやっても意外にはまるんですね。あと、1stアルバム(『Nelson Magic DELUXE Edition』)がボーナス・トラック付きで再発になるんですけど、そちらもどういう反応なのか気になりますね。
国分:みんな大人なので、こだわりはあるけれど肩に力は入ってなくて。こなれていてパワーがあって。これを聴いて、若い人は新鮮に思うんじゃないかな。どんな聴かれ方をするのか興味ありますね。
伊藤:一番上の兄貴に聴かせたらこれはいけるって言ってた。だから、これはいいんじゃないかなと思います。
佐々木:モータウンを知らない世代の子たちが聴いてくれたらいいな。私、音楽の学校で先生をやってるんですけど、今の子たちは全然洋楽を聴いていないんですよ。たまには洋楽を聴いてもらいたいっていうとき、何をか聴かせようかと思うんですけど。そんなとき、自画自賛ですけど、これを聴いてみなさいと(笑)。原曲も一緒に聴かせて、こういう音楽もあるんだよって。これから音楽を学ぶ子にいい音楽を聞かせたいし、そのきっかけになるといいな。

『Nelson Motown +』でカヴァーされたモータウン・オリジナル・ソング解説

Dancing In The Street
Martha Reeves & The Vandellas
64年にリリースされ全米2位を獲得したダンス・クラシックスの名曲。デヴィッド・ボウイとミック・ジャガーのデュエットでも有名。
I Heard It Through The Grapevine
Marvin Gaye
60年代のマーヴィン・ゲイを代表する68年のヒット曲。正統派R&Bと後のニュー・ソウル路線の橋渡しの役目を担ったヒット・シングル。
Ain't No Mountain High Enough
Marvin Gaye Tammi Terrell
マーヴィン・ゲイとタミー・テレルという黄金のデュエット・コンビが67年にリリースしたあまりにも有名な情熱的なラヴ・ソング。
  It's A Shame
The Spinners
日本ではいまひとつ知名度のない彼らだが、60年代初頭から活躍していたコーラス・グループ。彼らが70年にリリースしたヒット曲。
I'm Gonna Make You Love Me
The Supremes & Temptations
テンプテーションズとシュープリームスという当時の二大コーラス・グループが夢の共演を果たしたナンバー。68年のリリース。
  Mercy Mercy Me (THE ECOLOGY)
Marvin Gaye
「What's Going On」と並ぶマーヴィン・ゲイの代表曲。詞のテーマは環境問題。リリースされた71年にこの発想をしていたのはすごい。
What Becomes Of The Brokenhearted
Jimmy Ruffin
失恋の切ない気持ちを、繊細でしなやかなボーカルと美メロで歌い上げたバラード。地味ながらも心に染みる、モータウンの深さを知る一曲。
  I'll Be There
Jackson 5
こちらもジャクソン・ファイヴの初期を代表するラヴ・バラードの名曲。美しすぎるメロディがマイケルの声でさらに輝いている。70年発表。
Never Can Say Goodbye
Jackson 5
マイケル・ジャクソンがいたジャクソン・ファイヴが71年に発表した初期の代表曲のひとつ。まだ幼少のマイケルのヴォーカルが愛おしい。
  Get Ready
Rare Earth
元々はテンプテーションズが66年にリリースした曲だが、70年リリースのレア・アースによるヴァージョンが日本では大ヒットした。
Signed,Sealed,Delivered I'm Yours
Stevie Wonder
スティーヴィが、モータウンからセルフ・プロデュース権を勝ち取って作った第1作目。彼のソウル・スピリッツが炸裂した名曲。70年発表。
 
モータウン特集
【MEMBER’S OTHER WORKS】
『Organ J.』重実 徹
『TRUST ME~Deluxe Edition』佐橋佳幸
ブルージィなジャズ・ファンクからスムース・ジャズまで幅広いテイストを自在に操る希代のオルガン・プレイヤー、重実 徹のソロ・アルバム。2000年発表。 94年にリリースされた佐橋佳幸の1stアルバム。ギターだけでなくヴォーカリストとしての才能も存分に発揮している。山下達郎がプロデュースに参加。
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『PACIFIC JAM』松岡 直也/土岐 英史
  『Beyond The Earthbound』ExhiVision
81年にリリースされた、サックス・プレイヤー、土岐英史とピアニスト、松岡直也によるブラジリアン・テイスト溢れたラテン・フュージョンの傑作。   難波弘之参加のユニット、ExhiVision。今年4月に行われたプログレの殿堂、吉祥寺シルヴァー・エレファントでのライヴ音源を厳選収録。渾身の一枚。
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